4月25日、私の主宰する二胡教室の初めての弾き合い会を行いました。
「二胡教室」と銘打ってはいますが、集まったのは、かつて私が指導させていただいたヴァイオリンの少女や、初めてのピアノにひたむきに向き合う同世代の女性。
二胡、ヴァイオリン、ピアノ。
それぞれが異なる言葉(楽器)を持ち寄り、ひとつの空間で対話をするような、そんな異色の、けれど温かな会となりました。
予定していた数組の欠席もあり、図らずもこじんまりとした集まりになりましたが、
かえって一人ひとりの音の輪郭がはっきりと見える、親密な時間になったと感じています。
成長という名の「歌」
ヴァイオリンの女の子は、お母様のピアノに寄り添いながら「メリーさんの羊」を披露してくれました。
私が導入をお手伝いしていた頃はまだ音を出すこと自体が冒険だった彼女が、今は立派に旋律を奏でている。
その瑞々しい成長に、思わず目を細めてしまいました。

「共鳴」が生んだ、初めてのステージ
写真は撮り損ねてしまったのですが、同世代のピアノ初心者の生徒さんとは、連弾でご一緒しました。
「初めて人前で演奏するのは、一人では心細いから……」という彼女の消極的な一言に、「では、私も一緒に弾きましょう」と隣に座ることを決めたのです。
ところが、本番での彼女の集中力には驚かされました。なんと全曲を暗譜で弾ききられたのです。
その指先からは、今日まで重ねてきたであろう膨大な練習の時間が、確かな手触りとなって伝わってきました。
私自身も数年ぶりの公の場での演奏となり、実はかなり緊張していたのですが、彼女のひたむきな姿勢に背中を押され、DREAMS COME TRUEの「未来予想図Ⅱ」を最後まで丁寧に奏でることができました。
二人の呼吸が重なり、一台のピアノから一つの音楽が生まれる。 それは、言葉を介さない最も深いコミュニケーションだったように思います。
弦を震わせ、空気を紡ぐ
二胡の生徒さんは、2年目の節目として「童神」を。
バンド活動もされている彼女は、右手の運弓(ボーイング)に素晴らしい安定感が出てきました。
弦楽器において、弓は「呼吸」そのものです。今後は、さらに深く「歌うこと」を伝えていければと思っています。

そして今回、特別な風を吹き込んでくれたのはオーボエ奏者の宮原さんです。
個人的に学んでいる社会福祉士の実習先でふとした縁から知り合った彼との「いつかコラボを」という約束が、こうした形で芽吹いたことをとても嬉しく思います。

画面を超えて届く響き
会の締めくくりには、私が関東時代に師事していた鈴木友紀子先生(ヴィオラ)とピアニストの巨瀬励起先生による「アルペジオーネ・ソナタ」の映像を上映しました。
いつか挑戦したいと願っていたあの旋律。画面越しではあっても、プロフェッショナルの深い響きに、会場全体が静かな感動に包まれました。
ヴァイオリン小学生の彼女も、その演奏を真剣に見つめていたのが印象的です。数ヶ月前から、ヴァイオリンを学ぶ小学生の導きを、鈴木先生に託しています。

ヴィオリスト 鈴木友紀子(すずき・ゆきこ)
https://junko-design.com/viola-yukiko-suzuki/
ピアニスト 巨瀬励起(こせ・れいき)
https://www.kosephil.net/portal/
音楽は「遊び」の中に
合奏練習では「かえるの歌」で輪唱やフレーズの受け渡しを試みました。初めて合わせたとは思えないほど息がぴったりで、次はバッハのコラールも……と、早くも未来の夢が広がります。
音楽クイズやポットラックパーティでの談笑。 オーボエの宮原さんが仰った「チューニングの一音は、演奏中より緊張する」という言葉は、まさにオーケストラの心臓を担う方ならではの、鋭くもウィットに富んだ一言でした。
場所を貸してくださった成合先生、伴奏を支えてくださった玉村先生、そして設営を助けてくださった参加者の皆さん、ありがとうございました。
小規模だからこそ、皆さんの吐息が聞こえるような、和やかな一日となりました。
音楽は、奏でることで自分を解放し、聴くことで他者と繋がる。 そんな当たり前で、けれど奇跡のような時間を、これからも大切に育んでいきたいと思います。
また皆さんと、新しい音でお会いできる日を楽しみに。 精進を続けます。
※写真は参加者みなさまに掲載了承をいただきました。ありがとうございます。
二胡教室 順 上田 順子


